私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
京都府租税教育推進連絡協議会賞
税の意義と役割について考えたこと

学校法人洛陽総合学院洛陽総合高等学校 三年
岡本 文太

 二〇一九年の一〇月、消費税率の引き上げに伴い、マクドナルドで販売されているチキンクリスプの値段が一〇〇円から一一〇円に値上げされた。十円とはいえ当時中学生だった私にとって大きな衝撃を与え、同時に税金に関心を持たせるきっかけとなった。

 日本では長い間、税金の歳入出について様々な意見が飛び交っている。その中でも私が特に注目したのは、歳出額の内の文教及び科学振興費だ。というのも、普段利用するSNSやテレビで、日本は研究職の人々に対して冷遇しているという内容の話をよく見かけることがある。二〇一〇年代はノーベル賞を受賞した日本人が毎年のように現れていて研究は上々かと思ったが、その受賞者たちがこぞって基礎研究に対する投資の少なさや、若手研究者のポスト不足、博士課程に進学する学生の減少を憂う発言をするなど、日本の科学力の今後が心配になった。

 病院の料金など身近な所にも税金は使われているが、長期的に考えると、税金の使い道を見直して日本の未来をより豊かにできることに力を入れる方が良いのではないかと思った。例えば高等学校や大学、それこそ先程述べた研究費に割り当てるべきだと考える。

 他にも、少子高齢化の進む日本では、社会保障費の負担がどんどん増加していくことが予測できる。そうなると若者の一人あたりの負担が大きくなり、年金制度は今後崩壊するのではないかという心配になる。しかし、この点については定年の引き上げや再雇用制度もあり、そこまで負担が大きくなることはないかもしれない。

 このように、税金の問題点ばかり述べてきたが、これまでに受けてきた義務教育や普段から使用している公共交通機関、道路に公園と、当たり前に使用しているものが税金によって整えられているので、私達の生活に税金は欠かしてはならないと思う。

 ただ、税金を徴収しすぎても逆に生活は苦しくなってしまう。だから、国民の生活が豊かになる丁度良いバランスはどこなのかこれからも追求していきたい。