
京都府租税教育推進連絡協議会賞
税と生き、生かされている私たち
学校法人聖ヨゼフ学園 京都暁星高等学校 3年
寺尾 ちさと
受験生として迎えた高校生生活最後の夏休み。しかし、家では中々勉強に手が付かないため、勉強するなら図書館がいいよという先生方の勧めで、地域の図書館に行くことにした。
エアコンの効いた涼しい部屋と、静かで落ち着いた環境。先生の言う通り、集中して勉強に取り組むことが出来た。それからしばらく図書館に通うなかで、図書館に置いてある幅広いジャンルの本の中から、自分の気になる本を探しては、借りて家で読んだりもしていた。
そして、ある時ふと「図書館って偉大な建物では?」と思った。勉強に最適な環境の提供と、本の無料貸出。しかも、誰でも利用可能なのが信じられない程、一つの施設としてあまりにも充実しているからだ。そんな図書館の「誰でも使える」を実現したものとは何なのか考えてみた。
答えは税金だ。図書館は私たちが支払う税金で維持されていて、私たちは図書館に集中して何かに取り組む場所を与えられているのである。税金は勿論図書館以外の公共施設やサービスに使われているが、私達の生活を支え、豊かにする点は同じだ。税金は私達の生活に必要不可欠で、本当にありがたいシステムだとつくづく思う。
しかし、中には納税に消極的な人がいる。特に私達学生の世代だ。今の私達にとっては消費税ぐらいしか馴染みが無く、「税=払うお金が増える」という、お金だけに囚われた考え方をしてしまいがちになる。そのため、自分の払った税金が何に使われ、どう影響を与えているのかを知ろうとする人は少なく、納税の意欲が湧きにくいという現状がある。
では、私達一人一人の納税意識を高めるためには、一体何が必要なのだろうか。
一番大切なのは、税金をどう捉えるかだと私は思う。今の私達は「税=お金」のレッテルを剥がせないでいるから納税に消極的になっている。確かに納税はお金で行われるが、本当にただのお金なのだろうか。私達が払い、集まった税金が、公共施設・サービスを生み、そしてそれらが私達の生きる社会をより豊かにしてくれる。つまり、納税は私達の生きる社会を私達が支える手段として機能しているのではないか。これは将来の社会創造に向けての、一種の募金活動と言っていい。また、その社会には、子どもや高齢者、障害者といった、いわゆる社会的弱者の立場にある人もいる。税はそんな人々も誰一人置いていかず、全ての人への公平な分配を実現する仕組みだと言える。私達は納税を通して己の心を差し出すことで、互いを思い合い、支えあっているのではないだろうか。収入に応じて納税額が変化するノブレスオブリージュも結局は自分のため、共生する全ての人のためなのである。このように世の中を広く捉えれば、税はただのお金ではないことがわかってくる。
私達は税金の下で生き、生かされている。この事を決して忘れてはならないと思う。
エアコンの効いた涼しい部屋と、静かで落ち着いた環境。先生の言う通り、集中して勉強に取り組むことが出来た。それからしばらく図書館に通うなかで、図書館に置いてある幅広いジャンルの本の中から、自分の気になる本を探しては、借りて家で読んだりもしていた。
そして、ある時ふと「図書館って偉大な建物では?」と思った。勉強に最適な環境の提供と、本の無料貸出。しかも、誰でも利用可能なのが信じられない程、一つの施設としてあまりにも充実しているからだ。そんな図書館の「誰でも使える」を実現したものとは何なのか考えてみた。
答えは税金だ。図書館は私たちが支払う税金で維持されていて、私たちは図書館に集中して何かに取り組む場所を与えられているのである。税金は勿論図書館以外の公共施設やサービスに使われているが、私達の生活を支え、豊かにする点は同じだ。税金は私達の生活に必要不可欠で、本当にありがたいシステムだとつくづく思う。
しかし、中には納税に消極的な人がいる。特に私達学生の世代だ。今の私達にとっては消費税ぐらいしか馴染みが無く、「税=払うお金が増える」という、お金だけに囚われた考え方をしてしまいがちになる。そのため、自分の払った税金が何に使われ、どう影響を与えているのかを知ろうとする人は少なく、納税の意欲が湧きにくいという現状がある。
では、私達一人一人の納税意識を高めるためには、一体何が必要なのだろうか。
一番大切なのは、税金をどう捉えるかだと私は思う。今の私達は「税=お金」のレッテルを剥がせないでいるから納税に消極的になっている。確かに納税はお金で行われるが、本当にただのお金なのだろうか。私達が払い、集まった税金が、公共施設・サービスを生み、そしてそれらが私達の生きる社会をより豊かにしてくれる。つまり、納税は私達の生きる社会を私達が支える手段として機能しているのではないか。これは将来の社会創造に向けての、一種の募金活動と言っていい。また、その社会には、子どもや高齢者、障害者といった、いわゆる社会的弱者の立場にある人もいる。税はそんな人々も誰一人置いていかず、全ての人への公平な分配を実現する仕組みだと言える。私達は納税を通して己の心を差し出すことで、互いを思い合い、支えあっているのではないだろうか。収入に応じて納税額が変化するノブレスオブリージュも結局は自分のため、共生する全ての人のためなのである。このように世の中を広く捉えれば、税はただのお金ではないことがわかってくる。
私達は税金の下で生き、生かされている。この事を決して忘れてはならないと思う。