私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
京都府租税教育推進連絡協議会賞
税の教育

清明高等学校 1年
加来 陽依

 税とは年金・医療などの保障・福祉や、水道・道路などの整備、教育・警察といったサービスを充実させ、国家をより良く発展させるための政策を運営する資金を調達するためのものである。

 しかし、その重要な事柄に対して、私も含めて世間一般でのそれに対する認知が低いと感じる。

 税に関する事件で、とある漫画家が期限までに確定申告をせず、所得税を脱税したというニュースがあった。脱税に至った経緯について、「事務作業が極めて不得手で金銭への関心が薄く、年齢相応の社会制度に対する理解も不足した被告人が、 急激に人気漫画家となり、確定申告の重要性を軽く見て、目の前の仕事やプライベートを優先させ、事務作業から逃げ続けた結果(Yahooニュース)」だとした。

 このようなうっかりでは済まされない税について私たちは知る機会が少ないのではないか。

 私は、その理由に日本の労働者の人口の中でサラリーマンの割合が高いことが関係していると考えている。サラリーマンの給料は会社から支給される給料から所得税と住民税をあらかじめ引かれている。つまり、自分で税金を払っているという感覚がない。 そのことが税に対する意識がないことにも繋がっていると感じるからだ。

 その解決策として私は税についての教育の強化をするべきだと思う。今の学校の教科書にも税の名称くらいは書いてある。しかし、それがどのような税でどのような場合に支払い、どのように自分に還元されているのかがわからないのだ。 名前を知っていても実際の内容を知らないと意味はない。さらに、税を身近に感じることができる。そのため、税に対する認知を上げる方法として教育の強化は最適だと考える。

 ここまでの話の中でこう思った人もいるのではないか。税について知っていてもその知識が役立つのは確定申告をしなければいけない個人事業主だけではないかと。しかし、私はそれだけではなく、税についての認知度を上げることは選挙での投票率の増加に繋がっていると考えている。

 その理由は国家を運営している資金の多くが税金であるからだ。先にも言ったようにサラリーマンは給料から先に税金を引かれている。つまり、本当の給料はもう少し多いはずなのだ。このことを意識すれば、わざわざお金を払って国家を運営してもらっているのだから、 自分の考えと一致するところに投票しようと多くの人がなるはずだ。逆に今は自分が国家に対してお金を払っているという感覚がないから、投票率が少ないのではないだろうか。

 このことを含め、税に対しての認知を上げ、より身近に感じるためにも、私は税に関する教育の強化をするべきだと考える。