
大阪国税局長賞
命を守る税金
京都教育大学附属高等学校 1年
藤井 香羽
「税金は命を守る」私はそう思う。決して大袈裟な言い回しではない。今は消費税しか納めていない私だけど、近い将来、立派な納税者となって、納めた税金が本当に必要な方に使われ、
みんなが安心して生活できる社会作りに貢献したい。私は巨大なエネルギーをもつ自然災害により、一瞬にして生活の根幹を失った私の祖母から、税金とは復興するための架け橋であり、納税の義務の裏には手厚い恩恵があることを学んだ。
令和六年一月一日に起きた能登半島地震は多くの尊い命を犠牲にし、想像を絶する大きな被害をもたらした。「悔しい、祖母の町がなぜ。」自然という見えない敵を憎む怒りと絶望感だけが増大した。「何か出来ないのか」と自問自答し、 私達家族は居ても立っても居られず、一月三日、車に水を大量に積み込み能登へ向かった。その時の北陸道で見た自衛隊の高機動車をはじめ、他府県ナンバーのパトカーと消防車、電力高所作業車、給水車など長蛇の隊を成して一気に能登へ向かう光景は、 まるで「待ってろよ」と言わんばかりの正義のヒーローのようでとても頼もしさを感じた。父は「どれだけの税金が使われるかわからないけど、国と地方が災害救助のために全力で動いてくれている」とつぶやいた。
覚悟をしていたが祖母の家は無残すぎた。祖母は溶かした雪で水を作り、一日一個のおにぎりで我慢し疲弊していた。物資を渡した後、二日間無我夢中で割れガラスの片付けなどやれることをやりきった。最後に風で揺れるカーテンの隙間から家の中が見えた時、 二度と中に入れないと思うと涙が出た。そんな祖母にも明日から自衛隊のお風呂に入れる知らせを聞き、小さな楽しみを見つけていた。「ありがとうございます。」
能登から戻り私は災害に関係する税金のことを調べてみた。国の歳出の中に災害復興の予算や地方交付税交付金、地方債の制度があるほか様々な支援金があることを知った。更に所得税では「生活再建を優先し、確定申告は状況が落ち着いてから」 と被災者に寄り添う温かいメッセージを 見つけた。税金は単に納めっぱなしではないのだ。
日本は世界有数の自然災害国だ。これから起こり得る災害の備えだけでは完全に防ぐことはできないだろう。もし、十分な税金がなく被災地・被災者を救えなかったらと考えるとぞっとする。その後、祖母は仮設住宅に入居でき少しずつ日常生活を取り戻している。 九月には公費解体が進む。これらも全て税金のおかげである。家も仕事も無くした人に、もう一度新しい家に住んで欲しい。将来の希望をもち続けて欲しいと願う。そのために私達が出来ること、やはり税金を納めることが大事だと考える。税金は時に人を助け、 時に自分が助けられる重要なアイテムであり、私達の生活に必要不可欠な制度である。私は税金の尊さを忘れずに、気持ち良く税金を納めていきたい。
令和六年一月一日に起きた能登半島地震は多くの尊い命を犠牲にし、想像を絶する大きな被害をもたらした。「悔しい、祖母の町がなぜ。」自然という見えない敵を憎む怒りと絶望感だけが増大した。「何か出来ないのか」と自問自答し、 私達家族は居ても立っても居られず、一月三日、車に水を大量に積み込み能登へ向かった。その時の北陸道で見た自衛隊の高機動車をはじめ、他府県ナンバーのパトカーと消防車、電力高所作業車、給水車など長蛇の隊を成して一気に能登へ向かう光景は、 まるで「待ってろよ」と言わんばかりの正義のヒーローのようでとても頼もしさを感じた。父は「どれだけの税金が使われるかわからないけど、国と地方が災害救助のために全力で動いてくれている」とつぶやいた。
覚悟をしていたが祖母の家は無残すぎた。祖母は溶かした雪で水を作り、一日一個のおにぎりで我慢し疲弊していた。物資を渡した後、二日間無我夢中で割れガラスの片付けなどやれることをやりきった。最後に風で揺れるカーテンの隙間から家の中が見えた時、 二度と中に入れないと思うと涙が出た。そんな祖母にも明日から自衛隊のお風呂に入れる知らせを聞き、小さな楽しみを見つけていた。「ありがとうございます。」
能登から戻り私は災害に関係する税金のことを調べてみた。国の歳出の中に災害復興の予算や地方交付税交付金、地方債の制度があるほか様々な支援金があることを知った。更に所得税では「生活再建を優先し、確定申告は状況が落ち着いてから」 と被災者に寄り添う温かいメッセージを 見つけた。税金は単に納めっぱなしではないのだ。
日本は世界有数の自然災害国だ。これから起こり得る災害の備えだけでは完全に防ぐことはできないだろう。もし、十分な税金がなく被災地・被災者を救えなかったらと考えるとぞっとする。その後、祖母は仮設住宅に入居でき少しずつ日常生活を取り戻している。 九月には公費解体が進む。これらも全て税金のおかげである。家も仕事も無くした人に、もう一度新しい家に住んで欲しい。将来の希望をもち続けて欲しいと願う。そのために私達が出来ること、やはり税金を納めることが大事だと考える。税金は時に人を助け、 時に自分が助けられる重要なアイテムであり、私達の生活に必要不可欠な制度である。私は税金の尊さを忘れずに、気持ち良く税金を納めていきたい。