私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
京都府租税教育推進連絡協議会賞
税金と幸せ

京都共栄学園高等学校 二年
木野本 淑恵

 日本は税について納得出来ない人が多いという現状だ。二〇一九年には消費税が十パーセントに引き上げられたり、働いて稼いだお金が税として徴収されたり、国民の不満は募る一方だ。実際、周りの大人達は「税金取られすぎ」「取られた税金が何に使われているか分からない。」などと嘆いている。日本人は暮らしにかなり不満があるようだ。国連機関であるSDSNが毎年発表している世界幸福度ランキングでも日本は他の先進国に比べて低い。では、海外の税と暮らしに対しての幸福度はどのようなものだろうか。

 台湾は消費税が世界で一番低い。私は台湾に行ったことがあり、日本よりも食べ物や雑貨の値段が安く、ついつい色々買ってしまったのを思い出した。税金が低くても台湾の政治や経済は上手くいっている。台湾は社会全体として税の負担を軽くして自分たちの手で自立して生活しようというのを目指している。それは国民にも理解されている。台湾の幸福度はアジアで一番高く、税に対して不満を持つ人も少ないようだ。私が台湾で出会った人はみんな笑顔で明るく幸せそうに暮らしていたという印象だ。

 それに対し、フィンランドは世界でも消費税が一二を争うほど高い。しかし、社会保障制度は非常に充実しており、医療費や教育費は全額無料である。フィンランドは税負担を大きくして社会保障を充実させようとしている社会である。また、フィンランドは世界で一番幸せな国と言われていて、幸福度ランキングでは毎年一位だ。

 これらから考えられることは、国民が支払う税金が多くても少なくても人々の幸せ意識は変わらないということだ。つまり、税をどれだけ徴収するかということではなく、日本をこれからどんな国にしたいのかという将来の展望を明確にし、集めた税金をどういった使い道で国で使っていくのかというのを国民に理解してもらうことが最も大切であるように思う。正直なところ、税の使い道についての国民への説明は不十分である。私のように調べるまでは知らなかったという人が殆どだ。そのため、税金への人々の不満は大きく、国への信頼度は低い。国民一人一人が税についての関心を高めるには、もう少し国は国民に理解をしてもらえるように促す必要があるのではないか。また、世界に目を向けて調べてみると様々な税制度があるということが分かった。視野を広げ、海外の税の良いところを取り入れるのも一つの方法だ。私は日本がさらに住みやすい国になってほしい。