私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
京都府租税教育推進連絡協議会賞
非常時における税の在り方

京都府洛北高等学校 1年
 髙木 智也

 最近、新型コロナウイルスの拡大により今まで当たり前のように行っていたことができなくなってきている。私たちの家族も、お盆の時期に帰省するのを控えることに決めた。帰省して祖先を祀り、親戚の人々と交流することは今まで毎年行ってきたことだ。しかしそれさえも中止せざるをえないほど状況は深刻で改善の兆しもみえない。欧州のようなロックダウンも日本の憲法、法律上できないと思われる。そこで、私は如何にして人々の外出や移動を減らすかを考えた。

 今は主に他府県の移動を止めるように政府が呼びかけているようにみえる。しかし、それでは人口の多い都道府県で、逆に町中の人が通常より増えてしまう危険性がある。また呼びかけただけでは、他府県への移動を止めない人もいるだろう。そういった人たちを少なくするために、私は「通行税」を復活させることを提案したい。日本では、平成元年に消費税が導入された際、物品税とともに廃止されるまで課税されていた。通行税とは、一定の交通路、交通機関に課される税金のことであるが、その中でも私は公共交通機関であるバス、電車、新幹線に着目した。これらの利用の際に課税する。そうすれば、料金が上がったことにより、利用する人は減る。またたとえ利用者が減らなかったとしても、課税分の利益が生まれる。感染拡大がおさまらなければ税率を増やしてもよく、利用者が減るか利益が生まれるかの二通りの結果が必ず起こる。これを繰り返すことで、いつかは利用者の減少が起こる。ただ、これでは私たち学生のように、毎日利用している人は経済的な負担が大きくなってしまう。そこで私が考えたのは「定期券」を購入する際は課税しないようにすることだ。この課税は、公共交通機関を「普段から利用している人」ではなく、「普段は利用しないが、今回は利用する」という人が対象であり、必要最低限の利用への課税は対象外の人を経済的に苦しめてしまう可能性がある。

 利益がもし出たとしたら、得た分のお金は新型コロナウイルスのワクチンを得ることや治療薬の開発に使うことにすれば国民も納得しやすいだろう。利益が減るであろうバス、鉄道会社の給付金としてもいいだろう。

  ここまでは私の提案だが、私が言いたいことは「税は収入を得ることだけが目的ではなく、何かを抑制することもできる」ということだ。例としては、たばこ税がある。たばこ税は現在まで税率が上がってきている。財務省の資料によると、たばこ税は国税、地方税合わせて負担額が五割を超えている。それもあってか、たばこの販売数量は二〇〇〇年から二〇一八年までの二十年足らずで、半分以下になっているのだ。

 普通は単純に収入を生み出すことが重視されることが多いように見える税だが、今のような非常時にこそ、税について別の見方をしていく必要があると私は思う。