私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
京都府租税教育推進連絡協議会賞
シークレット・ドクターと私の歩み

京都府立網野高等学校 3年
難波 歩未

 私には夢がある。看護師になることだ。理由は端的に言うと、人の役に立ちたいからだ。きっと医療に携わる人に多い志望理由だと思う。そんな、人の役に立ちたいと思った人が集まっているのが病院である。今まさにその病院が緊迫した状況にある。感染症によって患者数が増加傾向にあるのだ。そんな中、医師を中心に多くの医療従事者が頑張ってくれている。このような状況に私は感謝と同時にやるせない気持ちになる。今の自分では、医療従事者を手伝うことも、まして感染者を治療することも出来ない。私は感染予防をすることしか出来ないのだ。とても無力だと思う。

 一方、私は今度入院することになっている。そんな時に、この税の作文という課題が出た。私は税について考えている時に自分の手術にはどれほどの医療費がかかっているのだろうかと疑問に思い、母に尋ねてみた。母は、

 「今度は三十万。この前は百万ぐらいだったかな。」

 と答えてくれた。正直、とても驚いた。この時私は、税の大切さが分かった。納税という制度が無ければ、私は治療を受けられていなかったのだ。もしも、受けられていなかったら、私は明かり一つない暗闇にいるような人生を送っていただろう。つまり私は、顔も知らない人に人生を救われていた。そう言うことが出来るだろう。もしかしたら、自分より歳の小さい子かもしれない。そんな納税をしてくれている方に私は今までの分も含め、これからいっぱい感謝したい。スーパーで買い物をしている人。会社で働いている人。そういう人が私にはシークレット・ドクターに見えてくるだろう。

 今、世界が混乱している中、税金がとても役に立っているなと思った。経済の動きが止まってきている時に政府が税金であらゆる面から国民の生活をサポートしている。自分が納めた税金で誰かの生活が成り立っている。そしてこの時私は気づいた。自分の納めた税金がもしかしたら、感染者の治療費として使われているかもしれない。そう考えると、私は納税という制度があるおかげで今の自分も無力ではないと思えた。税は人の役に立ちたいと思う人の気持ちが形になった一つであると私は考える。だからこそ私は、これからもしっかり納税という義務を果たしていきたい。