私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
納税協会連合会会長賞
ペイフォワード消費税は幸せを渡すバトン

同志社女子高等学校 3年
淺井 詩乃

 2000年度アメリカのミミ・レダー監督の「ペイ・フォワード」という映画をご存知でしょうか。十一才のトレバー少年がひとつのアイデア(人から受けた厚意をその相手に対してペイバックするのではなく、他の違う誰かに違う形で先贈りして、幸せを広げていく=ペイフォワード)によって、世界を大人達を変えていく物語を描いた作品です。この映画で描かれているのは、ひとつの厚意を受けた相手に返すのではなく、次の人に別の形で渡してみたら(PAY)、どうなるか。そして、そのPAYがやがて巡り巡って、たくさんの人を幸せにしていくという作品でした。

 私には、在宅で介護しているおばあちゃんがいます。脳梗塞を起こし、認知症になり、今は私の事も分からなくなり、寝たきりです。半年前までは、一緒に映画に連れて行ってあげたり、旅行にも一緒に行っていたのに。おばあちゃんはだんだん脳が弱り、誤嚥性肺炎を繰り返し、とうとうお粥も、飲み物も喉を通らなくなり、中心静脈輸液をいれるCVポートの手術をし、それが命綱です。ごはんも飲み物も口からとれないからです。この中心静脈からの栄養がなくなれば、おばあちゃんはたちまち死んでしまいます。でも、この中心静脈栄養はとても医療費がかかるそうで母はとても悩んでいましたが、在宅の先生の話だと、ある一定金額以上かかる医療費は、国が負担してくれるそうです。このおかげで、おばあちゃんは生きています。介護保険のおかげで、デイケアも週2回行けて、訪問看護師の人にお世話になれ、時々状態がいいと、昔の元気だった頃のおばあちゃんのように、はにかんだり、泣いたりしてくれます。余命ニ・三ヶ月と言われたおばあちゃんと残り少ない、いつくるかわからないその時までの、幸せな時をくれたのは、日本の社会保障が充実しているおかげです。アメリカでは、社会保障のしくみが、日本ほど充実しておらず、お金のない人は満足いく医療が受けられなかったり、アメリカ在住の知り合いの人は、出産で700万円必要になって、払うのがとても大変だと言っていました。母はおばあちゃんが今、生きてられるのは、日本の社会保障のおかげだと言っていました。

 日本は速いスピードで高齢化が進んでいて、高齢化に伴う社会保障の費用が今、増えているそうです。この社会保障制度を持続可能にする為、消費税率10%の引き上げが必要だそうです。消費税は、物やサービスを購入する際、国民の誰もが負担するので、世代に偏りがない、平等な税です。このお金は、おばあちゃんの世話を親身にしてくれている介護職員の人の一生懸命さに報いる為のお金にもなっているそうです。又、介護を必要としていても介護を受けられない人の給付金にも使われるそうです。消費税10%は次世代への社会保障のペイフォワード、と願いつつ払おうと思います。