私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
京都府租税教育推進連絡協議会賞
森林環境税と若者と地方

京都府立北桑田高等学校 1年
和田 佳織

 私の住む地域は、面積の九割以上が森林である。北山杉の産地であるため、ほとんどが杉の植林である。しかし、外国産の木材と比べて高価な国産の木材は売れ行きが伸び悩み、儲けが出ないので、林業は若者に避けられ、業界は高齢化が進んでいる。そしてそのダメージは地域にも響いており、地方の高校を卒業すると同時に地域を離れる若者が多く、また安定した就労先も少ないため現役世代も少なくなってきている。なので人口は減少の一途を辿っている。そこで、身近にある森林が元気になればと思い、森林環境税の使い道を考えた。

 若者が林業を避ける、という点に論点を置く。中学校の社会科で日本の産業について学んだ時、若者の第一次産業への就職率が低いと聞いた。その理由として、危険、きつい、汚いの3Kであるから、と教わった。確かに私が地元で木を切る体験をした時、歩きにくい山道、潜んでいる危険な虫や獣、土で汚れる全身など、遊び回るには楽しいけれど、職場になると考えると少し憂鬱に思えた。しかし、このまま若者が林業を避ければ、今林業を続けている現役の世代が、高齢などを理由に退いた時、後継者問題が顕在化し、さらに日本の森林は荒廃するだろう。なので若者が林業に携わりやすい環境にするために森林環境税を使うのがいいのではないか、と考えた。職場の3Kが軽減されることによって、就職率も上がるのではないだろうか。

 3Kの中で一番の懸念が「危険」だと思う。だから一番最初に改善しなければならないのは安全な職場にすることだ。具体的な例として、間伐などの現場に最新の重機を取り入れることを挙げる。先日、私がテレビを見ていた時、山道を登って、木を切るのも、倒れてくる木を受け止めるのも、全て人が乗り込んで操作する、というような高性能林業機械が紹介されていた。人の手で伐採する時は細心の注意を払う。しかし、疲れなどがあると倒れてくる木などの危険に対する注意力が散漫になり、危険度が増してしまうのではないか。重機を使うことで安全に作業できるのなら重機を取り入れるべきだ。年間約六百億円の森林環境税を各市町村(千七百四十一市町村、平成三十年十月一日現在)で割ると、均等にした場合約三千四百五十万円ずつ配ることができる。前述の重機は約千七百万円なので、少なくとも一年に一台ずつ買うことができる。そうなれば、3Kのうちの「危険」が少なくなり、さらに「きつい」というのも軽減されるだろう。

 3Kが少しでも軽減され、若者が林業により携わるようになれば、業界の高齢化や後継者問題は解決し、森林が荒廃することは減るだろう。そして地方に若者が増えることになり、人口の減少を抑え、地方を活性化することにも繋がる。森林や林業だけでなく、地方の命運も握る森林環境税の有意義な使い方を一国民としてこれからも考えていきたい。