私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
京都府租税教育推進連絡協議会賞
「特別な未来」

京都府立峰山高等学校 2年
井上 愛梨

 私は今、高校に通っている。普通に考えればそれはごく当たり前のことのように感じられるけれど、私にはとても大切なことなのだ。 

 私の家は昔、あまり裕福ではなかったらしい。祖父はテレビや新聞で大学の話題を見かけるとよく、父や伯母達が大学に通っていた時の話をする。「うちは貧乏だったのに、兄妹3人共を大学に行かせてやらんといけなかった。あの時はお金があってもあっても足りなかったんだ。」その当時、田舎の私達の地域では兄妹全員が大学へ行けることは少なかったらしい。それでも、大学で学ぶことが社会に出ると大きな意味を持っていると思った祖父と祖母は大学に進学するための資金をかき集めたらしい。私はそれを聞く度に、大学へ行く事の難しさを感じると共に、自分も大学に行ってみたい、好きな事を学んだり、知らない場所で、多くの知らない人に会って話してみたい、と思っていた。

 しかし、話はそう簡単ではない。今の大学の授業料は父や伯母達の頃とは比べ物にならないほどに上がっている。私は3人兄妹だった父とは違い一人っ子だが、その私一人が大学へ進学するのも容易な話ではない。私もできれば大学で学びたいし、卒業した後の進路の選択を増やしたい。さらに、大学へ行こうとする前に高校で学ぶことはもっと大切だ。でも、義務教育である小・中学校とは違い、高校は無償ではない。3年間高校へ通って授業料を払うのも大変なのに、その後大学まで目指すことが出来るのか。私は不安に思っていた。

 ところが、高校に入学した春、驚くことが分かった。「高等学校等就学支援金」というものが私に適用される、つまり私は、高校に無償で通うことが出来るらしい。そうなれば家族の負担が軽くなり、もっと大学へ行きやすくなるかも知れない。私達の不安は軽くなった。

 しかしもちろん、私が高校に通うための授業料が本当に支払われていないはずはない。それは「税金」で賄われているのだ。税金は誰もが払わなくてはならない、とても身近で大切なお金だ。でも、実際どんな風に社会に役立っているのか、どんな事や人のために使われているのか、よく知らなかった。けれども今、私は税金のお陰でお金の心配をせずに高校に通い、勉強をしたり、たくさんの新しい人や機会に出会うことができている。そして、大学を目指すこともできる。それは決して当たり前ではなく、特別なことだと私は思うのだ。

 私は今高校2年生だ。一年後にはもう受験生となって、大学受験に備えなければならない。家族が大学へ行く事を反対せず応援してくれるのには、税金のようなたくさんの助けがあるからだと思う。私はそれを無駄にしないためにも、今から少しずつ、努力を重ねていきたいと思う。