私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
京都府租税教育推進連絡協議会賞
税の役割について考えたこと

舞鶴工業高等専門学校 2年
矢野 ひかる

 小・中学校で使われている教科書には「これから日本を担う皆さんへの期待をこめ、国民の税金によって無償で支給されています。大切に使いましょう。」という記述がある。しかし、高校や高等専門学校の教科書にその記述はない。一年前、高等専門学校に入学し母と教科書販売に行ったとき大量の教科書を買ったが、値段は驚きの四万円。小・中学校はこれほど高くないかもしれないが、九年間も無償で教科書を支給してもらっていた事実に気付き、初めて私達は税に支えられて成長したんだということを実感した。教育を受ける環境を整えてくれている税金と、それを納めてくれる全ての大人、また日本の税の仕組みに感謝の気持ちが生まれた瞬間だった。

 その日の夜、税理士である父に「教科書ってあんなに高いんやな・知らんかった。毎年一人一人に教科書を支給するんに何円かかるんやろ。」と聞いた記憶がある。調べてみると、一年で「四百二十億円だった。」(国税庁ホームページ、www.nta.go.jp)あまりの値段に驚いた。その他にも「義務教育でなくても補助金がもらえる制度や、未来のための宇宙開発や科学技術の研究にも税が使われていることなど、私の知らないことだらけだった。」(国税庁ホームページ、www.nta.go.jp)私は大人達が働いて納めてくれた税金で勉強させてもらっている、という気持ちを忘れてはいけないと考えさせられる。日々の授業も、専門的な実習も、それに使われる高額な器具も、全て日本の将来を担う子供達への期待がこめられている。

 消費税増税に反対する声が多いこの世の中だが、誰もがその税に恩恵を受けているはずだ。医療、教育、介護、全て生きていく上で必要となる。そのように考えれば、税は決して「国に払わされている」のではなく「払うことで国の力になっている」のではないかと感じる。この税の作文を書くにあたり多くの新しい知識を得たが、これもあの言葉が書かれた教科書で九年間学んできたからできることだ。税金で教育が受けられている現状に感謝しながら勉強し、大人になりきちんと国に税を納め、日本の未来に貢献することが、期待をこめて教科書を支給された私達の使命だと強く思う。