私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
京都府租税教育推進連絡協議会賞
かけがえのない仲間たち

京都教育大学附属高等学校 1年
秋山 彩葉

 「うわ、税金泥棒や!!」
 「補助金で贅沢してるくせに」
 ある日の帰り道、こんな心無い言葉に私は胸を突かれた。

 私は毎日電車で通学をしている。その日もいつもと同じように電車に乗っていると、車いすの、私よりも少し年下くらいであろう少年と、その母親らしき人が乗ってきた。いわゆる障がいを持った方だ。その時、私の近くに座っていた、子ども連れの女性ら数人の会話が聞こえてきたのだ。それが冒頭のような言葉である。何も迷惑をかけていないのに。その時の少年の母親の、何とも言えない悲しそうな顔が、私は未だに忘れられないでいる。

 このことをきっかけに、私は税金のことについて少し調べてみた。すると、検索ワードに『障害者 税金の無駄』と出てきたのだ。あの時の、少年の母親の顔が、私の頭の中によみがえってきた。そして、彼女の気持ちが痛いほど分かった気がした。しかし、それ以上の発見があった。障がい者は、所得税や相続税の減額や免除など、数えたらきりがないほどの控除を受けているということだ。その瞬間私はとても嬉しくなった。今まで当たり前のように納めていた税金が、このような形で誰かの役に立っているということが。自分が社会に貢献できているんだということが。正に、自分の『存在意義』を見出せた瞬間だった。

 税金による恩恵は、私たちが『与える』ばかりではない。例えば、私たち学生のためには「文教及び科学振興費」という税金で、教科書が無料配布されたり、全国学力調査の実施がなされたり、校舎が改築されたりしている。これまた数えきれないほどの恩恵を、私たちは『受けている』のである。

 税金は、私たち日本国民全員に『幸せ』を届けてくれるだけでなく、誰かに『幸せ』をおすそわけすることもできる。そんな税金は、日本国民全員の『チームプレー』で成り立っているものだと、私は思う。誰か一人でも欠けては、『幸せ』はうまく循環しない。私も始めは税金についてマイナスなイメージしか持っていなかった。しかしこれからは、一国民として税金を納められることを誇りに思いたい。そして、一億二千万人の仲間たちと良いチームワークを築いていきたいと思う。

 そして、あの時出会った少年と母親に伝えたい。  
「私たちみんな、税金で繋がれたチームなんだよ」と。