私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
京都府租税教育推進連絡協議会賞
税という政治参加

洛陽総合高等学校 3年
秦 諒太朗

 この二〇一九年十月に消費税が八パーセントから十パーセントに引き上げられる。私は「家計に響くのではないか」などと、自分の生活範囲でしか考えていなかったが、ここで税の使われ方に目を向けてみるとどうだろう。私は肝心の税の使い道についてあまり知らない事に気が付いた。

 私が最も身近に税を感じたのは、教科書の裏表紙に「この教科書は、これからの日本を担う皆さんへの期待を込め、国民の税金によって無償で配布されています。大切に使いましょう」という言葉を見つけたときだ。身近なものだった教科書と税金の関わりを知り、驚いた事をよく覚えている。高校生になり、教科書を購入する度に、税金によって教科書の費用が賄われていた事の有り難みを実感した。同時に、日本での税の使われ方に感心を持った。

 世界の税について話をすると、デンマークという国名をよく耳にする。家族との会話でデンマークの税が話題に上がった事がある。デンマークでは二十五パーセントという衝撃的な消費税が課せられている。所得税や物価の高さも、日本では考えられないものだ。しかし国民の幸福度は世界一である。負担の多い教育費や医療費の殆どを国が負担しているのがその理由だが、日本ではデンマークのように税の恩恵がはっきりと感じられないと家族はいう。本当にそうだろうか。

 国税庁の「国の一般歳出額内訳」の円グラフの内、基礎的財政収支対象経費を見てみたい。例えば地方交付税交付金等は、地域の経済状況によって環境衛生や警察・消防といった公共サービスに格差が生じぬように調整されて、地方公共団体に交付される。又、日本は地震や台風といった災害の影響を受けやすく、その復興やライフラインの整備には公共事業関係費は欠かせない。更に、少子高齢化社会が深刻な問題となる中、医療・介護・年金などに充てられる社会保障関係費などは全て私達の税金から支払われているのだ。私達がいかに税金に支えられた暮らしをしているか分かる。先程述べた教科書の例にしても、税金によって得られる恩恵は計り知れない。そして勿論これらは代表例であり、その他私達の生活を支援する為の様々な歳出がある。私達ははっきりと、税の恩恵を受けているのだ。

 冒頭に述べた通り、来年の十月には消費税率が引き上げられる。確かに私達国民の負担はその分増えるだろう。しかしそれらは全て私達の生活をより良いものへと変える為の材料と捉える事も出来る。税金は、私達の未来への投資なのだ。