私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
納税協会連合会会長賞
託すという意識

京都府立木津高等学校 2年
佐柳 衣莉

 「税金を」の後に続く文節は何だろうか。「納める」、「とられる」、「徴収される」など様々な可能性が考えられる。どれも税金を払うということを意味するが少しニュアンスが異なる。支払うことに納得しているのか、しぶしぶ支払っているのか。ここに入る文節は、税金がどのようなものなのかという各々の認識によって変わってくると私は思う。

 私は今まで、税金にどういう意味があるのか、具体的にどんな役割りを担っているのか、考えたことがなかった。というよりも、高校生である私にとって税金は、馴染みがあるものではなく、自分には大して関係のないものだと感じていたのだ。だから私にとって「税金を」の後に続く文節は「とられる」だった。しかし本当にそれでよいのだろうか。税金を嫌ってしまうのは、よく知らないからなのかもしれない。

 ちょうどそんなことを思っていた時、税金への考え方が変わる出来事があった。夏休み中、祖父母の家に帰省した時だ。祖父に夏休みの宿題に税の作文があるという話をした。私は税金についてよく知らずあまり良いイメージもないと言うと、祖父は、自分の市で行われているサービスについて教えてくれた。祖父の住む市では六十五歳以上になるとタクシーの料金の一部を市が税金によって負担してくれているという。祖父は、そのサービスをたまに利用するらしくとても有難いと言っていた。私は、そんなサービスが存在することを全く知らなかった。同時に、税金は案外身近なところで役に立ってくれているのだと感じた。そんな気持ち祖父に伝えると、祖父は「税金は払っても自分たちのところへ返ってくるから」と全く税金に悪いイメージを持っていないようだった。

 私は、祖父の言う、「税金は返ってくる」というのがどういうことなのか気になった。そこで、実際に税金がどんなことに使われているのか調べてみると、それは驚くほど身近なものばかりだった。例えば、学校。私の通う学校の設備なども税金によって維持されている。他にも、図書館や公園、道路、信号、消防車や救急車などもそうだ。それがなければ、生活がままならない。安心して生活できるのは税金によって暮らしやすい環境が整備されているからだ。私たちは自分が払った税金にこんなにも助けられている。

 祖父の言う「税金は返ってくる」。それは、払った税金は姿を変えて私たちの生活の至るところで役立ってくれているということだ。 税金に対して正しい認識を持つには知ることが必要だ。正しい知識を得た今の私は、「税金を」の後に続く文節は「託す」だと思うから。