私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
京都府租税教育推進連絡協議会賞
私たちの幸せと取られた瘤と

京都明徳高等学校 1年
池田 芽生

 「鬼に瘤を取られる」ということわざがある。一見損害を受けたようでいて、実はかえって利益になることのたとえだ。私は、このことわざは税金と私達の関係を表しているのではないかと思う。憲法にも国民の義務として定められているので、私達は税金を納めなければならない。だが、私達はつい、税金の事を悪く思ってしまう。私も100円の物を買う時、どうして消費税として8円も余分に払わなければならないのかと思ってしまう。8円損するじゃないか、と。しかし、本当にこの考えは正しいのだろうか。私達は税金を払うことで損をしているのだろうか。また、前回消費税が5%から8%に引き上げられた時は、生活への影響を懸念した増税前の買い溜めなどが話題になったが、今後消費税はさらに上がるだろう。私達はさらに大きな損害を受けるようになるのだろうか。

 ところで、国連は毎年、世界幸福度ランキング(世界幸福度報告書)というものを発表している。最新の2017年度の1位はノルウェー、2位はデンマーク、3位はアイスランドとなり、日本は51位だった。この上位3カ国にはいくつかの共通点があるのだが、その一つが税金が高いという事だ。例えば消費税は日本の8%に対して、ノルウェーは24%、デンマークは25%、アイスランドは25.5%と日本の3倍以上である。なぜ、この国々は税金が高いにも関わらず、世界有数の幸せな国となっているのか。その理由と三国の共通点の一つとなっているのが、医療費の無償等の充実した社会福祉制度だ。そして、このお金は税金でまかなわれている。

 つまり、税金は払うだけで、国民から国や地方公共団体への一方的で損なものではなく、私達は税金を払うことで、それ以上に多くのことを税金でまかなってもらっているのだ。だから、税金が高くても社会福祉制度が充実している、ノルウェー、デンマーク、アイスランドは、幸せな国なのである。ちなみに、この三国はいずれも昨年度のランキングも上位5ヶ国内に入っている。また、税金が国民のために使われているのは決してこの三国に限られた事ではなく、日本でも社会保障はもちろん、ゴミ処理や、警察・消防など多くの面で国民の生活は税金によってまかなわれている。税金は決して損なものではなく、「鬼に瘤を取られる」なのだ。

 財政赤字が続き、さらに少子高齢化も進んでいる現在の日本。そんな時代だからこそ、私達は税との関わりを考えるべきではないだろうか。日本国民全員が直接関わり合って助け合う事はできないが、税によって間接的につながり、支え合う事はできる。納税の義務があるという事は、税を納めることで私達はより良い生活ができ、幸せになれるという事だと私は考える。