私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
京都府租税教育推進連絡協議会賞
次世代へのメッセージ

洛南高等学校 1年
宮岡 玲奈

 三月、私は中学校を卒業した。四月から始まる高校での生活をとても楽しみにしていた。春休みのある日、引越しの準備を兼ねて今まで使っていた教科書を片付けた。受験までの長い道のりで、ところどころに破けたところや折り目のついた教科書に別れを告げる時が来たのだ。一冊一冊、じっくりと読み返しながらダンボールに詰めていった。一番好きだった理科の教科書裏をふと見たとき、私はある言葉に気付いた。それは「この教科書は、これからの日本を担う皆さんへの期待をこめ無償で支給されています。大切に使いましょう。」という言葉だった。私はこの言葉を見つけた時、とても嬉しくなった。なぜなら、今まで社会で学んだ税金の使用例を、身近な教科書で見つけたからだ。教科書のお金が税金で賄われていることは小さい頃に先生から学んだことがある。しかし、知っていてもあまりに身近なせいか全く気付かなかった。そしてこの事実を改めて認識したとき、大きな感謝の気持ちが湧いてきた。これまで9年間何も考えずに教科書を使っていた。「感謝しなさい」と言われてもその場限りで、特別何かを思っているということはなかった。しかし、今回は違った。この教科書と受験に合格するため、自分の夢を実現させるために努力し続けたという誇りや達成感から、心から教科書に感謝することができた。使い古した教科書がとても懐かしく、片付けることが寂しくなった。一枚一枚、どのページにも勉強をしたという証があり、それが私の自信へとつながった。全ての教科書を片付け終わるには、とても長い時間がかかった。

 たくさんの人の思いを込めて私たち子供に提供してくださる教科書。そう考えた時、私たちは勉強ができていることに感謝の気持ちを持つことは当然ではないかと思う。未来の日本、世界を創っていく私達に大人の人々は教科書という形で未来へのヒントやアイデアを残してくれている。

 さて、もう高校に入学して四ヶ月が過ぎようとしている。私は勉強できていることに感謝しているのだろうか。人間は身近であれば身近であるほど感謝の気持ちを持つことを忘れがちである。人生の先輩が私たちへ与えてくださったメッセージと共に感謝の気持ちを忘れずに生きていきたい。そして私が大人になった時、自信を持ってその次の子供達にメッセージを送れるような生き方をしたいと思う。