私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
京都府租税教育推進連絡協議会賞
幸福度

京都文教高校 2年
塩見 桃代

 去年、祖父が倒れ心臓の手術をした。その日以来以前にも増して病院に通わなくてはならなくなった。私の祖父は過疎市町村に住んでいる。出かける時は祖父が運転をする。しかし最近、高齢者による重大な事故が多くとりあげられ、私は車ではなく公共交通機関やタクシーを使ったらどうかと祖父に提案した。しかし公共交通機関はなく田舎のタクシーは高額だと言う。私はなにか良い案はないか調べた。すると高齢者は運転免許証を返納すると各自治体で様々な特典があることを知った。では祖父の地域ではどのような特典があるのか調べると、バスの回数券がもらえるそうだ。確かにその制度は素晴らしいが、祖父の住んでいる過疎地域には公共交通機関がない、適用外だった。運転免許証を返納すると生活ができなくなるのだ。祖父母が田舎に取り残された高齢者のようで胸が痛んだ。

 近年、少子高齢社会、核家族化、若者の田舎離れ等、日本の未来はどうなるのか、子供ながら、しかし数年後には社会人になる私は不安に思う。私たちは生まれた時から医療、教育、公共施設、ライフライン、治安等、生活に欠かせないものが税金によって賄われている。これほど手厚いサービスを受けられる国は日本だけだと思う。手厚いサービスが当たり前になり、いつの間にか行政に頼りきりで甘えていたのではないかと思う。私自身、消費税の増税案を耳にした時は本当に必要なのか、増税して得た税収は何に使うのかと思っていた。しかし、逼迫した日本の税収を知ると仕方ないと思い直した。人それぞれ考え方や生き方が違うし、求める政策も違う為増税に反対意見も多いようだが、北欧やヨーロッパの税率は日本の三倍以上だ。生活が苦しく国民の不満も大きいのかと想像したが、社会福祉が充実しているため老後まで安心して暮らせることから国民の幸福度は極めて高い事に驚いた。日本も変革の時期なのかもしれない。人口低下に伴い発生する様々な問題に対処するためにも国民一人一人が政治に興味をもち、税にたいする意識向上が大事だ。

 今回私は祖父母の不安や大変さを知り思った。今の豊かな暮らしをつくってくれたお年寄り世代が安心して楽しく充実した日々を過ごせる社会になってほしい。そして納税者である大人達、生活の基盤を支えてくれる行政の方達に育てられた私たちがこれからの日本を担い、そして後世へとつないでいく。福祉の充実、地域社会の活力、都市整備、高齢者と地域の繋がり、すべての人の幸福度が高い国になってほしいと願う。そのためにも、今自分のすべき事である勉学に励み、将来社会に貢献できる大人になりたいと思う。