私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
大阪国税局長賞
歴史から考える税

洛南高等学校 1年
大坪 愛奈

 「代表なくして課税なし。」この言葉を初めて知ったのは中学二年の頃、家で歴史の勉強をしていたときでした。歴史好きだった私は、授業でも触れないような細かい所まで丸暗記し、この言葉も意味はほとんど考えないまま物知り気分になっていました。今、改めてこの言葉を見て、ああこんな所に「税」の文字があったんだ、と思ったほどです。もう高校生になってしまいましたが、あの頃の自分に戻って、もう一度考え直してみたいと思います。

 そもそも、どうしてこのような言葉が唱えられたのでしょうか。舞台は十八世紀後半のアメリカ、あの独立戦争のちょうど十年前のことです。当時、アメリカはイギリスの植民地であり、イギリスは戦争による金銭の不足で植民地に対する課税を強化していました。本国議会に代表を派遣していないのにもかかわらず増税されたアメリカは猛反発し、ついにヴァージニア植民地議会で「代表なくして課税なし」が決議されます。自分たちの意見が全く反映されないまま増税されるなんて、絶対にあってはならないことですよね。

 現在の日本はどうでしょうか。税に関する法律及び予算は、国民の「代表」である国会議員が決定しています。当時のアメリカと比べれば、存分と恵まれているように思えます。しかしそれにもかかわらず、つい最近、消費税増税に対する反発がありました。なぜでしょう。それは、国民の政治に対する関心の低下が原因にあると思います。それによって、税が私たちの生活にどのように役立っているのか、どれだけ必要なものなのか、十分に理解できずに負担だけにきをとられてしまうのです。もっと深く税について考えれば、税があるからこそ私たちは豊かな生活を送ることができているということが、きっとわかるはずです。私たちは、ただ負担しているだけではありません。きちんとその恩恵を受けています。そして、身体障害者や病弱な人たちへの支援にもなります。これはとてもすばらしいことではありませんか。

 これからの私たちにとっての課題は、もっと社会について関心をもち、ただ反対するのではなくて自分なりに考えてみることだと思います。私自身も、この税の作文を通して、税について多くのことを学びました。ですから今最も大切なことは、一人一人が社会のことをより深く理解する、ということではないでしょうか。