私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
京都府租税教育推進連絡協議会賞
納税者として

京都府立大江高等学校 3年
岩田 早苗

 現在、私は高校三年生である。つまり、卒業をひかえ次の進路を決めていく時期だ。私が通う高校は、先生方の尽力のおかげで地元とのパイプがしっかりしており、高校ながらかなりいい企業の求人がくる。私の兄姉もこの学校の強いバックアップのもと、内定をもらい社会人として働いている。進学してやりたいこともあったが、就職して資金をためたうえで、やりたいことにチャレンジするべきだという考えに至った。そうして私は、いわゆる就職組に入った。

 ある日、受験する企業を探すために求人票を見ていた時のこと。労働条件の賃金の欄を見て、思ったことがあった。基本給から引かれる控除額の内訳、その中に「税金」がある。

 就職と聞くと、どうしても社会人になることを意識する。けれどその一方で、就職するということは給料をもらうということ。つまり、納税者にもなり得るということに気が付いた。

 小学生・中学生の頃、教科書の裏側を見れば「この教科書は、これからの日本を担う皆さんへの期待をこめ、税金によって無償で支給されています。大切に使いましょう。」と記されていた。

 私も納税者になる。支援する側になる。教科書を当然のように受け取ったあの日。見えないけれど、その教科書の先には不特定多数の人がいた。それを次は私が、私と不特定多数の納税者で、未来を担う子供たちに手渡す。なんとも不思議なことだ。

 消費税増税を例にとっても、税に関しては一部反感の声が聞こえる。なにせ、手取り額が減ったり出費が多くなったりと、自分が好きに扱える金額が少なくなるからだ。けれど私もそうして集められた税に支えられてきた。勉強をした。旅行に行った。医者にもかかった。いずれも、教育機関や公共設備として、税が関わっている。増税しようというつもりはない。けれど、増税にせよ減税にせよ、税が人々の生活と関係している以上、その存在がなくなった日というのは、息苦しいと思う。ゴミ処理や道路整備といった日常的なことから、事故や災害といった緊急時、様々な場面で支障が出てしまうだろう。

 十七年生きてきた。一体、どれぐらい沢山の人と繋がってきただろう。そしてこれから私は何人の笑顔の手助けができるのだろう。「納税者」という言葉を前に改めて思ったことは、実にシンプルだ。税を大切にしてほしい。有意義に使ってほしい。それがどんな使い方であっても、誰にどんな形で渡っても。

 政治に無関心だなんて言わないで、ちゃんと向き合っていこう。