私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
京都府租税教育推進連絡協議会賞
世界を見渡す税

京都成章高等学校 1年
金丸 明日香

 「日本人は政府に税金を納めたら政府が何に使おうが無関心である。自分が義務さえ果たしたら、それでいいと思う。」

 これはパナソニック創業者の松下幸之助が語った言葉である。中には税金について気にする方もいるのかもしれないが、少なくとも私はこの言葉通り、税金に対して興味を示していなかった。高校生の私が普段、直接目にするのは消費税ぐらいでそんな消費税も年々上がっていくことに良い気持ちはしていなかったが、これが国の決めたことだからと税のそれ以上を知ろうとしていなかった。しかし、あることがきっかけで私の中での税の見方が一変した。

 それは、デレビ番組でやっていた「世界の幸福な国」特集を見たことだった。例を上げデンマーク、スイス、アイスランドなどの国だ。とくにデンマークでは、医療費、介護費が無料、貧困率も少なく、教育費も大学まで無料の上、一人暮らしの学生には生活費が支給されている。とても幸せな国だが、驚くことに税金が日本の一、七倍近くある。物価も高く、消費税が日本の八%に対してデンマークは二十五%もある。そのかわりに生命保険も必要なく、老後も安心できるのだ。私はこのことを知った時、莫大な税金にもかかわらず、国がきちんと成り立っていることにとても不思議に思い、驚きを隠せなかった。

 世界の税について興味がわいたのでさらに調べてみると世界にはおもしろい税がたくさんあることを知った。例えば、二〇〇三年から開始された特定の時間に特定のエリアに自動車で通ると課金されるというイギリスの渋滞税、肥満防止のために糖分の高い菓子やジュースに課せられるアメリカのポテトチップス税などユニークな方法で税金を集めている。それはただ、お金のためだけにやっているわけではなく、人々の現状を変えるためでもある。実際に先程のイギリスの渋滞税は半年経過した時点で交通量が十六%減少して目標の十〜十五%を上回る結果となった。税金は社会の私達の悪い流れを止める盾になってくれる場合もあるのだ。そこで私が唯一かかわっていた消費税も一回買い物するごとに私達の暮らしを安全なものにしていると思えて感心をもつことができた。

 世界の国それぞれ知恵が異なる。デンマークのような増税を試みる国もあれば、視点を変えて誰も生み出さなかったその国特有の税もある。だが、どの国もゴールは同じで国の自立を目指しているのだ。実は松下幸之助の言葉には続きがある。

 「アメリカは税は自分たちが生活や事業を営む上で必要な政治をやってもらうためにあるのだと考えている。」

 私が税と向きあって学び、思考したように少しのきっかけでも税に興味をもつ人が増えたなら世界はもっと変わって見えるのではないだろうか。