私達の暮らしと税金
高校生の作文優秀作公開
京都府租税教育推進連絡協議会賞
琵琶湖を支える税

洛南高等学校 1年
中島 玲華

 「あなたの思い出の場所はどこですか。」こう尋ねられたら、きっと私はこう答える。

 「琵琶湖です。」と。

 私は滋賀県生まれの滋賀県育ちで、琵琶湖は小さい頃から自分のすぐ近くにあるものだった。というのも、家のベランダに出ると周りの家の屋根が多少さえぎっているものの、広大な琵琶湖が見えるからだ。

 また、そういった距離的な意味での近さだけではなかった。

 二歳や三歳の頃には、よく湖岸へつれていってもらっていた。シャボン玉をしたり、アヒルにえさをやったりと夢中で遊んだ。帰りにはお母さんの自転車に乗って爆睡していたというから、よほど楽しかったのだろうと自分のことながら、思わず笑みがこぼれる。

 それから六歳の時、湖岸で自転車に乗る練習をしていた。二、三歩こいでは止まり、こいでは止まりの繰り返しで、諦めようかと思いかけた夕方。突然パッと乗れるようになった。この時の達成感とすがすがしさは今でも忘れられない。

 それからずいぶん経った今でも、クラスのみんなで湖岸に集まって合唱の練習に明け暮れたり、ランニングをしにいったり、友達といろんな話をしたり…。よく足を運んでいる。

 だから、私にとって琵琶湖は馴染みや親しみという意味でも近いものだった。

 ある日、そんな琵琶湖を陰で支えているものの存在についてお父さんから聞いた。琵琶湖森林づくり県民税というものだった。これは、琵琶湖の豊かな水を育み、そして県土を保全するという重要な役割をはたしてくれる、森林をつくることにあてられる税であるそうだ。

 私は、税については中学校の授業にあった公民で学んだつもりになっていたが、そんなに自分の生活に密着したものだったとは思いもよらなかった。琵琶湖がきれいに保たれており、昔と変わらず私の思い出の場所としてあり続けているのは、税の支えがあってこそだったのだ。これは、私の考え方を大きく変えることになった。今までなら私は、唯一払っている消費税の八パーセントをすごく煩わしいものに思っていた。たが、税を払うことは何かの支え、またそれを通して誰かの支えになると考えると、私にもできる社会への貢献として、とても大切なことだと考えるようになった。

 他にも、私は二度の骨折を経験しており、そのときにも医療費負担という税の助けを借りている。また、私の母校である小学校でも補助金によって、耐震工事を含め改築が進められている。こうして知らず知らずのうちに私たちはたくさんの税の恩恵を受けている。だから、今は税についてもっと知り、感謝すること、そして大人になったら誇りをもって納税することで恩返しができる人になりたい。